更新日:2022年5月9日
高次脳機能障害9級で、2816万円で示談が成立した事案。

みおでご相談後の取得金額
事例の概要
被害者様:Cさん/20代/会社員/奈良県葛城市在住
脳機能に関わる症状がなかなか治まらず、今後の交渉等に不安を感じ、治療中に相談に来られました。後遺障害は9級の認定、保険会社との示談交渉により2816万円で最終解決した事案です。
事故はこうして起こった
Cさんは、奈良県葛城市で、バイクに乗って青信号で交差点を通過しようとしたところ、交差道路から赤信号を無視して交差点に進入してきた四輪車に衝突されてしまいました。
後遺障害と解決までの道のり
この事故で、Cさんは、頭蓋骨骨折・くも膜下出血・骨盤骨折等の大怪我をしてしまいました。入院は約3か月に及び、退院時には、事故直後に比べると相当程度回復したものの、脳機能に関わる記憶力低下・集中力低下等の症状、その他めまい・頭痛・不眠等の症状が治りきらないことに不安を感じ、相談に来られました。
ご相談の際、上記の症状から高次脳機能障害が残存する可能性があると判断。弁護士費用特約はなかったものの、過失相殺はなく、示談金から弁護士費用を問題なく支払える見込みが立ったことから、手続きを受任しました。
受任後は、さらに半年ほど治療を継続されたものの、やはり症状が無くならないため、後遺障害の手続きを行うことになりました。手続きの中身ですが、高次脳機能障害の認定の際は、後遺障害診断書のみならず、日常生活状況報告等も必要になります。そこで、後遺障害診断書以外の資料も取り付けて、申請手続きを進めました。
以上の後遺障害手続の結果、後遺障害等級は9級が認定。妥当な後遺障害等級と判断し、保険会社との示談交渉に進みました。
示談交渉では、Cさんの給与が特段減額になっていないことから、労働能力喪失率が争点になりました。この点について、減額になっていないのは、勤務先の制度によるもので、長期的には給与に差がついたり、仕事を続けられない可能性があることを主張・立証。その結果、労働能力喪失率は9級で標準とされている35%より低い20%になりましたが、慰謝料や基礎収入は十分なところまで交渉できたことから、総額2816万円で示談が成立しました。
当事務所が関わった結果
その後の示談交渉では、特に労働能力喪失率が争点になりました。争点化されたのは、Cさんが事故後に就職されたものの、同期入社の人と比較して給与に大きな差がなかったこと等が理由です。これに対し、確かに給与の差は大きくないものの、勤務時間を短くせざるを得ない状況であること、勤務時間は短いものの職場の制度に助けられて大きな減額になっていないこと、長期的には同僚と差がつく可能性があり、最悪仕事を続けられない可能性もあること等を主張しました。保険会社からは労働能力喪失率は14%程度との主張があったものの、上記のように主張して最終的に20%で解決ができました。
通常より労働能力喪失率の認定が低くなっていますが、現時点での減収幅は限定的であること、裁判では高次脳機能障害が否定される可能性も考えられたこと等を踏まえると、やむを得ない所であったと言えます。
解決のポイント
後遺障害等級の認定
本件は、高次脳機能障害9級が認定されました。後遺障害診断書や日常生活状況に適切な記載をして手続きを進めたことが功を奏したと言えます。実際問題として、Cさんの症状経過や最終的に残存した症状からすると、記載内容によっては高次脳機能障害が否定される可能性も考えられたところです。仮に本件で高次脳機能障害が否定された場合、脳挫傷痕の残存により、12級の後遺障害等級になったと考えられます。9級と比較すると後遺障害慰謝料は4割くらいしか認定されませんし、脳挫傷痕の12級の認定の場合、労働能力喪失率の認定が最高でも14%、具体的な症状によってはより低い喪失率になることがありますので、9級が認定されたことで、大幅に示談金額が増えたと言えます。
逸失利益の認定
後遺障害逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数の算定式で計算されます。
本件では、労働能力喪失率が大きな争いとなり、当方からの主張立証の結果、20%の認定になりました。その一方で、本件では、Cさんの学歴・就職先などを考慮して、基礎収入は通常より高くすべきと主張。その結果、女性の平均賃金の約1.3倍の基礎収入が認定され、労働能力喪失率の認定が低くなった分を一定程度打ち消すすることができました。
担当弁護士のまとめ

交通事故で高次脳機能障害が残存し、当事務所で後遺障害申請と示談交渉を進めた事例です。本件は、後遺障害等級が9級か12級か微妙な案件でしたが、適切な内容の後遺障害診断書や日常生活状況報告を作成して、無事9級が認定されました。
示談交渉では、保険会社から労働能力喪失率について争われるとともに、示談が成立せず訴訟になる場合には、後遺障害等級の妥当性についても争う可能性があるとの主張がありました。保険会社のこのような主張内容と、Cさんのお仕事の状況も踏まえると、訴訟に手続きを移行するのはリスクが高いと判断。示談交渉で可能な限り増額し、示談が成立しました。
当事務所では、高次脳機能障害の後遺障害申請や示談交渉について多くの依頼をいただいており、事案に合わせて適切な形で解決しています。ご家族に高次脳機能障害が残ってしまったという方は、みお綜合法律事務所にご相談いただければと思います。
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