更新日:2022年2月24日
高次脳機能障害等で後遺障害6級の事案の示談交渉

みおでご相談後の取得金額
事例の概要
被害者様:Yさん/50代/会社員/神戸市在住
事故直後にご家族からご相談いただき、その後ご本人からご依頼いただきました。治療中の手続き、後遺障害申請、示談交渉と手続きを進め、最終的に4740万円で示談解決した事例です。
事故はこうして起こった
Yさんは、神戸市でバイクで優先道路を走行していたところ、非優先道路から走行してきたトラックと衝突してしまいました。
後遺障害と解決までの道のり
Yさんは、この事故で頭部を激しく道路に打ち付け、頭蓋骨骨折・くも膜下出血・脳挫傷・脳内出血等の怪我をしてしまいました。事故直後は意識もなく、生死の境をさまようような状態でしたが、手術を経て意識は回復し、3か月ほどの入院の後、退院されました。その後は、2年近くのリハビリ等を経てかなりの程度怪我は回復しましたが、脳機能は完全には回復せず、人の名前を思い出しづらい・慣れた道で迷う・気分の浮き沈みが激しい等の症状が残ってしまいました。
怪我の状況や残存する症状から高次脳機能障害が残存していると判断できたため、当事務所で高次脳機能障害の後遺障害申請に必要な書類を収集し、後遺障害申請を行いました。その結果、高次脳機能障害は7級、頭部の脱毛瘢痕が12級で、併合6級の認定。適切な後遺障害等級が認定されたと判断し、相手方共済との示談交渉に進みました。
示談交渉では、Yさんが一人親方として勤務していて、収入が明確でない面もあったため、休業損害と後遺障害逸失利益の基礎収入の認定が問題になりました。これについては、交渉の結果、当方の請求する休業損害と逸失利益が認められました。一方、付添看護費の認定や過失割合の点は譲歩したものの、休業損害と逸失利益が請求通り認定された点は大きく、総額4740万円で示談がまとまりました。
当事務所が関わった結果
その結果、後遺障害等級は、高次脳機能障害が7級、頭部の脱毛瘢痕が12級の、併合6級が認定されました。
示談交渉では、基礎収入の認定等が問題になりましたが、共済との交渉の結果、当方の請求する休業損害と逸失利益が認められました。
解決のポイント
後遺障害申請
Yさんは、事故直後から考えると奇跡的と言っていい位の回復状況でしたが、脳機能は完全には回復せず、高次脳機能障害が残存していました。具体的には、人の名前を思い出しづらい・慣れた道で迷う・気分の浮き沈みが激しい等の症状です。一方、脳機能が完全ではない状態とはいえ、仕事には復帰し、職場の配慮もあり、生活するのに問題が生じるほどの減収は生じていませんでした。
収入の変動を考えた場合、労働能力喪失率は後遺障害等級9級相当の35%程度であるようにも思われました。一方で、Yさんの症状を踏まえると、きっちりと書面を作成すれば7級が認定される可能性があるとの見通しのもと、後遺障害診断書・神経系統の障害に関する医学的意見・日常生活状況報告の作成を進めました。特に、症状を最も詳しく書くことになる日常生活状況報告については、どのような内容を記載すべきかの方向性を弁護士から示した上で、Yさんのご家族に記載いただきました。その上で、弁護士が上記の書類の内容に問題がないかを確認し、後遺障害申請を行いました。
その結果、高次脳機能障害は7級が認定されました。
頭部の脱毛瘢痕は、Yさん自身は後遺障害に該当するとは考えておらず、当初後遺障害診断書は作成されませんでした。ただ、弁護士が確認して、脱毛瘢痕も後遺障害に該当する可能性があると判断。追加で後遺障害診断書を作成し、後遺障害申請をした結果、脱毛瘢痕は12級が認定されました。
以上の結果、併合6級の後遺障害等級が認定され、示談交渉に進むことになりました。
示談交渉
Yさんは、勤務先の建設現場で働いていて、会社員同様の働き方と言えましたが、形式的には一人親方の扱いにされていました。そのため、収入から控除される経費があるはずとして、共済からはYさんの収入全額を休業損害・逸失利益の基礎収入にはできないと主張されました。
具体的には、Yさんの年収は約450万円でしたが、そのうち2割は経費で控除されるとして、当初基礎収入は約360万円が妥当であると主張されました。これに対し、Yさんは形式的には一人親方で個人事業主扱いになっているものの、実態は労働者と変わらず、経費は全て会社が持っていることを主張。その結果、経費控除は1割と譲歩があり、さらに交渉したところ、経費控除はせず、収入全額を基礎収入とする内容で合意ができました。なお、当方からは、入院時の付添看護費と過失割合0%を主張していましたが、下記の点から、入院時の付添看護費否定・過失割合10%との共済の主張でやむを得ないと判断しました。
・上記の通り、当方の主張する基礎収入が認められたこと
・入院時は、基本的に病院による看護体制が整っており、付添看護費を認定しない事例が数多くあること
・事故状況から見て、基本過失割合は10%と思われること
・示談総額でみると、裁判をするよりも有利な示談金額と判断できたこと
以上の結果、成立した示談金額は、4740万円です。
担当弁護士のまとめ

交通事故で重傷を負い、高次脳機能障害が残存した方の示談交渉事例です。
高次脳機能障害では、他の後遺障害が残った場合と異なり、後遺障害申請の際に数多くの書類を出す必要があり、記載内容にも注意を払う必要があります。後遺障害診断書・神経系統の障害に関する医学的意見は、主治医の先生が記載するもので、記載内容は最終的に主治医の先生の判断になります。これに対し、日常生活報告は、ご家族が記載するものですので、弁護士と詳しく打ち合わせをしながら記載内容を検討する必要があります。本件でも、弁護士が具体的症状をおうかがいし、記載の方向性をお伝えした上で書類に記載をしていただき、さらに書類の記載内容が適切なものであるかのチェックを行い、慎重に手続きを進めました。これにより、適切な後遺障害等級(高次脳機能障害単独では7級)が認定されました。また、適切な後遺障害等級が認定されることで、適切な示談金を確保できました。
当事務所では、高次脳機能障害の後遺障害申請と示談交渉を数多く行っています。交通事故で、ご家族が頭部に重大な怪我をしたという方、高次脳機能障害が残ってしまったという方は、みお綜合法律事務所にご相談いただければと思います。
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