更新日:2015年10月13日
被害者が遠方の母を扶養している点を逸失利益において考慮して増額に。
みおでご相談後の取得金額
事例の概要
被害者様:Sさん / 57歳 会社員
被害者が夜間、道路上で横になっていたところに加害者車両が通り、お亡くなりになられました。過失相殺の点や、扶養の面で一家の支柱であるかなど争点となりましたが、示談交渉により増額和解により解決した事例です。
事故はこうして起こった
Sさんは夜間何らかの理由で車道上に倒れてしまい、
その際に、加害者の運転する四輪車にひかれ亡くなってしまいました。
後遺障害と解決までの道のり
Sさんは、この事故で肺挫傷等の怪我を負い、
病院に搬送されましたが、間もなく亡くなりました。
事故からしばらくして、
遺族の方に対して保険会社から賠償金の提示がありましたが、
妥当な金額であるか分からないとのことで、
当事務所に来所され、示談交渉を依頼されました。
弁護士依頼前の保険会社提示額は、3158万円ほどでしたが、
弁護士が交渉することで4300万円まで賠償額が増額となり、
示談解決に至りました。
当事務所が関わった結果
Sさんを一家の支柱とみるべきかどうか、
過失相殺を何%とみるべきかが争いになりました。
交渉の結果、Sさんは母親を扶養していたことを考慮し、
過失相殺は通常より10%低くすることで和解が成立しました。
解決のポイント
Sさんが「一家の支柱」であるか
死亡事故では、亡くなった方が一家の支柱
(亡くなった方の収入で生活している方がいる)であるか否かで賠償額に変動が生じ、
一家の支柱であると認定されれば賠償額が増加する方向になります。
Sさんは、一人暮らしでしたが、遠方に母がおり、
母親の生活のため仕送り等をしていました。
そのため、実質的には一家の支柱であると主張し、
保険会社と交渉したところ、
母を扶養していた点を考慮して逸失利益と死亡慰謝料が増額算定されました。
過失相殺
Sさんは、夜間に車道上で横臥していた状態で、
加害者の車両にひかれてしまいました。
このような場合、一般的には、
50%の大幅な過失相殺がされてしまいます。
本件でもSさんにある程度の過失相殺がされることは避けられない状況でしたが、
加害者側にも速度違反等運転態様に問題があることを主張・立証した結果、
40%の過失相殺とすることで和解が成立しました。
担当弁護士のまとめ
Sさんは、一人暮らしでしたが、
一人暮らしの方が交通事故で亡くなった場合、
家族を扶養されている方と比較して、
賠償額が低額に抑えられてしまう傾向があります。
Sさんは、遠方の母親に仕送りをしており、
同居して家族を扶養している方と同じ要素があるということができました。
そのため、一般の一人暮らしの方よりも
賠償額を増額すべきと主張し、それが認められました。
なお、本件では、交渉により賠償金が増額になったこと、
また、遺族の方が早期解決を希望されていたことも踏まえ、
裁判は行わず、示談解決となりました。
死亡事故では、賠償額が多額になるとともに、
一家の支柱であるか否か等、死亡事故特有の争点が問題になることがあります。
それだけに、交通事故に精通した弁護士に
示談交渉を依頼する必要性が大きいということができます。
死亡事故では、保険会社から賠償金の提示がされた後で
ご依頼いただくこともできますが、
事故直後でもその後の示談交渉等の手続きをご依頼いただくことができますので、
みお綜合法律事務所にご相談いただければと思います。
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