後遺障害等級別の弁護士依頼のタイミングの傾向

監修者: 交通事故チーム主任弁護士
羽賀 倫樹 (はが ともき)
交通事故の問題は、当事務所のホームページをご覧になられた被害者の方が、無料相談にお越しになった後、そのままご依頼いただくというケースがよくあります。 記事をお読みになられて弁護士に相談をしたくなりましたら、お気軽にお問合せください。

- 相談者
- 後遺障害の程度によって、弁護士に依頼すべきタイミングは変わりますか?
- 羽賀弁護士
- 事例により異なりますが、当事務所の傾向としては、後遺障害等級が高いほど弁護士依頼のタイミングが早くなる傾向があります。
この記事では後遺障害等級別に弁護士への依頼のタイミングについてまとめていますので、参考にしていただければと思います。
- この記事でわかること
-
- 当事務所の後遺障害等級別の弁護士依頼のタイミングの傾向とその理由
- こんな方が対象の記事です
-
- 交通事故による怪我で後遺障害が残る可能性がある方
- 弁護士に依頼するタイミングについて迷っている方
- むち打ち等の怪我で弁護士への依頼を考えている方
- 骨折等の怪我で弁護士への依頼を考えている方
- 重度後遺障害が残りそうで弁護士への依頼を考えている方
後遺障害等級別の弁護士依頼のタイミングの傾向
交通事故の手続きをどのタイミングで依頼するか、この点についてお問い合わせいただくことは数多くあり、多くの方が迷っておられることと思います。治療中の依頼、症状固定前後の依頼、後遺障害等級認定後の依頼、保険会社が示談金額を提案してきた後の依頼が考えられますが、実は、後遺障害等級別に考えると弁護士への依頼のタイミングについて、少しだけ傾向が見えてきます。
後遺障害等級非該当または14級の場合
後遺障害等級非該当や14級になるのは、怪我が比較的軽度で完治した場合や、むち打ち等で痛みやしびれが残ってしまった場合等が考えられます。
当事務所では、後遺障害等級非該当や14級の方の場合、4割ほどの方は保険会社からの示談金額提案後のご依頼で、それ以外の6割ほどの方は、治療中・症状固定前後・後遺障害等級認定後示談提示前にご依頼をいただいています。4割ほどが示談金額提案後の依頼となっていますが、他の後遺障害等級の方と比較すると、示談提案後の依頼の比率が高いと言えます。このような傾向があるのは、下記の点が理由になっていると思われます。
- 後遺障害等級非該当や14級の方は示談提案後の依頼の比率が高い理由
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- 怪我が比較的小さいことが多いため、治療中や症状固定前後に弁護士に依頼するほどの問題が生じないケースがあること
- 弁護士としても治療中や症状固定前後にご依頼を受けても、特に後遺障害非該当という結果になった場合、弁護士費用ばかりかかる可能性があり、保険会社からの示談提示があるまでご依頼を受けないケースがあること
なお、6割ほどの方は、保険会社からの示談金額提案前のご依頼ですが、この6割ほどの方は、弁護士特約があるため、早いタイミングで弁護士に依頼しやすかったという方が多い印象です。
後遺障害等級12級の場合
後遺障害等級12級になるのは、骨折をして関節が動かしづらくなった場合や、骨折部分の不整癒合が原因で痛みが残った場合等が考えられます。
当事務所では、後遺障害等級12級の方の場合、保険会社からの示談金額提案後のご依頼は3分の1ほどで、3分の2の方は示談金額提案前にご依頼いただいています。後遺障害等級非該当や14級の方より、示談金額提案前のご依頼の比率が高くなります。このような傾向があるのは、下記の点が理由になっていると思われます。
- 遺障害等級非該当や14級の方より、示談金額提案前のご依頼の比率が高い理由
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- 怪我が比較的大きいこともあり、後遺障害申請の時点から弁護士に依頼したいと考える方が増えること
- 少なくとも14級の後遺障害等級が認定される可能性が高い場合があり、弁護士費用ばかりかかる可能性をあまり考慮しなくてよく、弁護士としても保険会社からの示談提示前の受任を躊躇しなくていいケースが多いこと
後遺障害等級11級・10級の場合
後遺障害11級になるのは、脊椎を圧迫骨折し、脊柱変形が残ってしまった場合や、可動域制限・痛みの12級が複数箇所に残ってしまった場合等が考えられます。また、後遺障害等級10級になるのは、関節可動域が、健側の半分以下になった場合等が考えられます。
当事務所では、後遺障害等級11級・10級の方の場合、保険会社からの示談金額提案後のご依頼は3割ほどで、7割ほどの方は示談金額提案前にご依頼いただいています。12級の方よりも示談金額提案前のご依頼の比率が上がります。示談金額提案前のご依頼の比率がさらに上がるのは、下記の点が理由になっていると思われます。
- 示談金額提案前のご依頼の比率が上がる理由
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- 怪我が12級の場合より重く、後遺障害認定の可能性がより高いと見込まれるケースが多いこと
- かかる弁護士費用以上の増額が見込まれるケースが多いこと
後遺障害等級9級~1級・死亡事案の場合
後遺障害等級9級以上となると、事故直後非常に大きな怪我で、症状固定に至っても大きな症状が残り、仕事や日常生活に大きな影響が残っていることが多いと言えます。当事務所では、保険会社からの示談金額提案後のご依頼は約6分の1で、約6分の5の方は示談金額提案前にご依頼いただいています。ほとんどは、保険会社からの示談金額提案前のご依頼と言えます。これは、下記の点が影響していると思われます。
- ほとんどの方が保険会社からの示談金額提案前のご依頼である理由
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- 怪我が重く、後遺障害等級の認定が確実と見込まれるケースが多いこと
- 弁護士費用を考慮しても弁護士に手続きを依頼するメリットがあると見込まれるケースが多いこと
- 賠償額が高くなるため、弁護士に依頼したいと考える方が増えると思われること
みお綜合法律事務所の弁護士のまとめ
後遺障害等級別に、弁護士依頼のタイミングを見てきましたが、後遺障害等級が高いほど、弁護士依頼のタイミングが早くなる傾向があることが分かります。交通事故の手続きを弁護士に依頼することを考えているものの、どのタイミングで相談・依頼すべきか迷っている方は多くいらっしゃると思います。事務所によって、どのタイミングでの依頼が多いかは異なるかもしれませんが、当事務所での後遺障害等級別の依頼のタイミングの傾向を参考にしていただくのも一つの方法かもしれません。
後遺障害等級 | 保険会社からの示談金額提案前のご依頼 | 保険会社からの示談金額提案後のご依頼 |
---|---|---|
死亡・1級~9級 | 約6分の5 | 約6分の1 |
10級・11級 | 約7割 | 約3割 |
12級 | 約3分の2 | 約3分の1 |
14級・非該当 | 約6割 | 約4割 |
更新日:2021年4月1日

交通事故チームの主任として、事務所内で定期的に研究会を開いて、最新の判例研究や医学情報の収集に努めている。研究会で得た情報や知識が、交渉などの交通事故の手続きで役立つことが多く、交通事故チームで依頼者にとっての最高の利益を実現している。
また羽賀弁護士が解決した複数の事例が、画期的な裁判例を獲得したとして法律専門誌に掲載されている。

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