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事故の加害者が追求される3つの責任と、被害者としての関わり方。

交通事故を起こした加害者には、3つの責任が発生します。

①刑事責任 ②民事責任 ③行政責任

それぞれがどう違うかをご説明しますと、

①刑事責任は、死傷という重大な結果を起こした人に対する国による制裁。

②民事責任は、事故によって生じた被害を金銭での補填。

③行政責任は、道路交通の安全を確保するために公安委員会が行う処分。

①刑事責任

刑事責任が認められると、罰金として金銭を支払うか、懲役刑や禁固刑により刑務所に入らなければなりません。もっとも、交通事故の場合、起訴猶予で終了してしまう場合が多くなります。

注:刑罰の重さの順番は、罰金<禁固<懲役となります。注:起訴できるだけの証拠はあるが、加害者の情状を酌んで検察官が起訴しないのが「起訴猶予」です。検察官が起訴したあと、裁判所による有罪判決で罰金や懲役などの「刑罰」が言い渡されます。なお、執行猶予(付有罪判決)とは、判決確定後の一定期間に有罪判決を受けなければ、「刑罰」の執行を猶予するものです。

この刑事責任追及は、国家機関である警察や検察が行い、それに対して裁判所が判断(判決)を下すことになります。ただ、大量の事件処理を行うために、交通事故についてはなおざりの捜査が多いのも実情で、被害者はその点に注意しなければなりません。

交通事故では過失運転致死傷罪(自動車運転死傷処罰法5条)に該当し、特に危険な運転行為があると、危険運転致死傷罪(自動車運転死傷処罰法2条・3条)に該当することがあります。

②民事責任

民事責任は、事件によって被った損害の填補を受けるものです。この民事責任追及は、被害者が主体になって行う必要があります。なぜなら、被害者に「立証責任」(裁判官に「この事実は確かにあった」と確信を抱かせるほどの立証をする責任)があるからです。

なお、日本の法律上、重大な名誉毀損の場合を除き、謝罪を要求することはできず、被害者の損害は全て金銭であがなわれることになっています(民法722条・417条の金銭賠償の原則)。したがって、被害者としては、法律が認めていない謝罪を求めるのではなく、「適正な金銭賠償」の取得を目指すことになります。

また、金銭賠償も、判例により認められる費目や範囲についておおよその基準が形成されていますので、それに従う必要があります。したがって「被害者だから何でも認められる」、という考えではなく、弁護士と相談しながら、冷静に損害額を見極める必要があります。

③行政責任

行政責任は、公安委員会が一定の基準のもとで、加害者の免許を停止または免許を取消すことを言います。

被害者の関与し得る責任追及

では、被害者が関与できる加害者への責任追及はどれになるでしょうか。答えは、上記の説明からお分かりの通り②の民事責任となります。また、交通事故の手続きで弁護士に依頼するのも、多くは②の民事手続きです。

①の刑事責任についても、被害感情、被害による日常生活の深刻さなどを綴った手紙や上申書について、担当検察官は加害者(被疑者)を起訴するかどうかの判断材料にしますので、その意味で関与できます。また、実況見分に立ち会って、自分の記憶に従って指示説明をするという形で関与できます(上記説明からお分かりの通り、被害者は、現行の刑事訴訟法上、あくまで「証拠」、「参考資料」としての扱いに止まります)。

したがって、被害者の方は、事故後は①刑事責任の追及として、実況見分に立ち会う、正確に供述することが重要です。さらに、②民事責任の追及のために、事故現場の証拠(別述)の確保、損害算定に必要な資料を確保しておく必要があります。

事故状況の証拠

事故状況について収集が考えられる証拠は以下のとおりです。
全てあればベストです。なお、いずれについても警察が作成する実況見分調書に残されていて開示できる場合があります。

道路の状況 事故後しばらくして工事により形状が変わる場合もありますので、あらゆる方向からの写真撮影(接写と遠写)を行っておくと良いでしょう。
ブレーキ痕 急ブレーキにより、路面に残ったタイヤが摩擦した跡の写真撮影と測定を行いましょう。実況見分調書にも記載があります。
加害車両、被害車両の損傷状況 損傷の形状、傷の入力方向、塗料の付着状況などが分かるように写真を撮影します。実況見分調書に写真が添付されている場合があります。
目撃者 事故を目撃した人を探しましょう。

更新日:2016年11月29日

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