交通事故の補償手続における加害者との関わり方
監修者: 交通事故チーム主任弁護士
羽賀 倫樹 (はが ともき)
交通事故の問題は、当事務所のホームページをご覧になられた被害者の方が、無料相談にお越しになった後、そのままご依頼いただくというケースがよくあります。 記事をお読みになられて弁護士に相談をしたくなりましたら、お気軽にお問合せください。
はじめに
交通事故では、加害者は刑事責任・民事責任・行政責任の3つの責任を負うと言われることがあります。これを被害者の立場から見てみると、刑事責任・行政責任は、国家機関と加害者の関係になりますので、基本的には被害者の方が深く関与できる手続きではありません。一方、民事責任は、加害者と被害者の関係の手続きですので、被害者の方が深く関与する手続と言えます。ただ、実質的には、被害者対保険会社の手続きとなり、民事手続きでも被害者が加害者と深く関与することはあまりないと言えます。このページでは、なぜそのようになるのかについて見ていきたいと思います。
補償内容への利害関係
交通事故が発生した場合、法律的には怪我をした被害者から加害者に対する金銭的な請求が認められます。しかし、交通事故の場合、ほとんどの場合加害者が任意保険の契約をしており、被害者に対する支払は保険会社が行います。そのため、治療費や慰謝料などがいくら発生しているのかという金銭面に利害関係があるのは、加害者の任意保険会社となります。そのため、自動車保険には、保険会社が加害者に代わって被害者と金銭面の交渉を行うという、示談代行サービスが付いています。このサービスにより、被害者の方の交渉相手は保険会社となり、加害者と補償面で接触することは基本的になくなります。
保険会社が交渉相手となることのデメリットとメリット
交通事故で保険会社が交渉相手となると、被害者の方は加害者との接触ができなくなります。交渉の本来的な姿と違う形になることについて、被害者の方から疑問の声が寄せられることもあります。しかし、加害者と接触することは、被害者の方にとって大きな精神的負担となる可能性があります。また、加害者と話をするより、金銭面で利害関係があり、交通事故の手続きについて一定の基礎知識がある保険会社と話をした方がスムーズに手続きが進むと言えます。何より保険会社相手であれば、資力不足による不払いのリスクがありません。このような観点から、保険会社が交渉相手になることは、被害者にとってもメリットがあると言えます。
加害者と交渉しないといけないとなるとこんなことに‥
加害者と交渉しないといけないとなった場合のことを考えてみましょう。
お金がないと言って慰謝料を支払ってもらえないかもしれません。居留守を使われるかもしれません。事故の時の話になってお互い感情的になってしまうかもしれません。
保険会社と話をしていても色々な問題が生じるかもしれませんが、少なくとも以上のような事態が発生することは大幅に少なくなるはずです。保険会社と交渉するというのは、結構合理的なシステムと言えそうです。
まとめ
このように、交通事故の補償手続は保険会社とのやり取りになります。ただ、被害者から見ると保険会社の担当者は事故処理のプロと言えます。担当者とのやり取りがストレスになることもあるかもしれません。保険会社とのやり取りを誰かに任せたい、話の内容がよく分からないといったことがあれば、弁護士に手続きを任せることをお勧めします。
更新日:2019年7月12日
交通事故チームの主任として、事務所内で定期的に研究会を開いて、最新の判例研究や医学情報の収集に努めている。研究会で得た情報や知識が、交渉などの交通事故の手続きで役立つことが多く、交通事故チームで依頼者にとっての最高の利益を実現している。
また羽賀弁護士が解決した複数の事例が、画期的な裁判例を獲得したとして法律専門誌に掲載されている。
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