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お子さんが交通事故に遭ったら!被害者が幼児・児童や学生の場合に注意すること。

はじめに

交通事故にあった方が、学生、児童、幼児などであった場合、通常の場合と異なった特色が生じます。
本稿では、そのような若年者の方が交通事故に遭われた場合の特色について、ご説明します。

付添看護費

ご家族の方がお子さんの入院や通院に付き添った場合、付添看護費が認められることがあります。
入院付添費については、医師の指示または受傷の程度、被害者の年齢等により必要があれば被害者本人の損害として認められるものとされています。
被害者が幼児等であったりしたときには、近親者付添いの必要性が認められやすいといえますし、場合によっては増額が考慮されるケースも有ります。

授業料等について

被害者の被害の程度、内容、子供の年齢、家庭の状況を具体的に検討し、学習、通学付添の必要性が認められれば、妥当な範囲で認めるものとされています。また、交通事故により留年するなどして無駄になった授業料があれば請求することができます。

休業損害

幼児・児童・学生は未就労者であることが多いですが、未就労の場合、事故時は金銭収入がないので、休業損害は否定されてしまいます。

他方、アルバイトをしているなど、現実の収入がある場合には、現実収入を基礎として、休業損害が認められることがありますが、アルバイトの継続性が問題となることがあり、その場合は夏休みなどの短期バイトに過ぎなかったのか、家計を助けるために継続的にアルバイトをしていたのか等、アルバイトをしていた事情などが考慮されることになります。また、交通事故により留年を余儀なくされ、就労開始が遅れた場合は、遅れた分の休業損害が認められます。

逸失利益

基礎収入について

若年者の場合、逸失利益を算定する際の基礎収入について賃金センサスを用いることが多いものといえます。
すなわち、休業損害の場合であれば、若年労働者であっても、比較的短期間の損害について考えることになるので、事故時の給与水準が継続するとして、事故時の現実収入額を基礎収入としても多くの場合問題ありません。しかし、後遺障害逸失利益の場合は、通常、比較的長期に渡る損害について算出しなければならず、当然将来の収入増があると見込まれるので、収入が増加するはずだったのにどれだけ減少したかを考慮しなければなりません。
しかし、それを正確に予測するのは不可能ですので賃金センサスを用い、全年齢平均値を基礎収入とすることが多いといえます。

中間利息の控除について

逸失利益の算定にあたって、若年者の場合は、中間利息控除のためのライプニッツ係数(詳しくはこちら)の用い方にも特色があります。
すなわち、未就労の若年者の場合は、満18歳(大学生など、就労開始が満18歳の時点より遅れる場合には、稼働開始推測時点とする)から満67歳までの間の損害額を計算することとなり、その場合の、係数の算定は、〈満67歳までの年数の係数一稼働開始時点までの年数の係数〉で求めることになります。

幼児や児童の場合の過失割合の修正

事理弁識能力

過失相殺をする前提として、被害者にどの程度の能力がなければならないのかにつき判例は「被害者たる未成年者の過失をしんしゃくする場合においても、未成年者に事理を弁識するに足る知能が具わっていれば足り、未成年者に対し不法行為責任を負わせる場合のごとく、行為の責任を弁識するに足る知能が具わっていることを要しないものと解するのが相当である」と判示しており、被害者に事理弁識能力があれば過失相殺ができると解されています。(最高裁 昭和39年6月24日 大法廷判決) 具体的には、小学生には事理弁識能力があると解されているようですが、判例によっては、5歳の幼稚園児に事理弁識能力を認めたものもあるようです。
なお、事理弁識能力がない被害者についても、次に述べる被害者側の過失が問題となりえます。

被害者側の過失

  1. 被害者側の過失とは、過失相殺において斟酌することができる過失が被害者本人の過失に限られるか、それとも被害者本人以外の者の過失(これが「被害者側の過失」です)を含むのか、という問題です
  2. この点、判例は、「民法722条2項にいう被害者の過失には、被害者側の過失をも包含するが、右にいわゆる被害者側の過失とは、例えば、被害者に対する監督義務者である父母ないしはその被用者である家事使用人などのように、被害者と「身分上生活関係上一体をなすとみられる関係」にある者の過失をいうものと解するのが相当」としています。(最高裁 昭和42年6月27日 大法廷判決)
    このため、たとえば、保母に過失があり幼児が事故にあってしまった場合でも、保母は幼児と身分上生活関係上一体をなすとみられる関係にはないため、保母は被害者側には含まれないとされ得ますが、母親に過失がある場合、母親の過失が斟酌される可能性があるということになります。
    その他、夫婦は一般的に、被害者側の過失を肯定(最高裁 昭和51年3月25日 第一小法廷判決)、内縁も一般に被害者側の過失を肯定(最高裁 平成19年4月24日 第三小法廷判決)、職場の同僚は一般に被害者側の過失を否定(最高裁 昭和56年2月17日 第三小法廷判決)、同居していない恋人は被害者側の過失を否定(最高裁 平成9年9月9日 第三小法廷判決)されています。
  3. その他
    被害者が児童、幼児の場合、過失割合の算定にあたり、被害者に有利に修正されることがあります。

ご依頼に必要な手続き

また、未成年者が被害者の場合には、親権者である親御さんからご依頼をいただく必要があります。

更新日:2016年11月29日

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