高速道路の路肩停車時の事故の解決ポイント

監修者: 交通事故チーム主任弁護士
羽賀 倫樹 (はが ともき)
交通事故の問題は、当事務所のホームページをご覧になられた被害者の方が、無料相談にお越しになった後、そのままご依頼いただくというケースがよくあります。 記事をお読みになられて弁護士に相談をしたくなりましたら、お気軽にお問合せください。

- 相談者
- 高速道路で走行中に車が故障したので路肩に停車していると、後から来た車に追突されてしまいました。保険会社との手続きや示談交渉で注意することはありますか?
- 羽賀弁護士
- 高速道路で事故に遭うと大怪我をする可能性が高く、重い後遺障害が残ると、適正な後遺障害等級の認定が重要になります。また、過失割合の考え方が通常の追突事故より複雑な面もありますので、適正な示談金を得るために、弁護士への相談をお勧めします。
- この記事でわかること
-
- 高速道路上の交通事故の特徴
- 高速道路の路肩停車中の交通事故の特徴
- 高速道路での事故の怪我と後遺障害
- 被害者の過失が0%の時の物損処理
- こんな方が対象の記事です
-
- 高速道路の路肩停車時に事故に遭った方やそのご家族の方
- 高速道路の路肩停車時の事故の示談交渉について弁護士への相談を検討している方
はじめに
高速道路走行中に、自動車が故障するなどして路肩に停車せざるを得ないときは、追突防止のための停止表示機材を後方車から見やすい位置に置かなければなりません(道路交通法75条の11、道路交通法施行令27条の6)。高速道路の路肩に駐車すると、後続車から追突されるおそれがあり、しかも後続車はスピードが出ているので、被害が一般道の場合より大きくなる可能性が増すからです。
その他、路肩に停車するときは、できるだけ十分な路肩の端に寄せて停車することや、ハザードランプを点灯すること、同乗者をガードレールの外側など車外の安全な場所に避難させること、車両が通行しない側から降車すること、道路管理者等への連絡をすること等も重要です。
ここでは、高速道路の路肩停車時の交通事故の特徴について見ていきたいと思います。
高速道路上の交通事故の特徴
高速道路上の交通事故の特徴として最も大きいのは、車両の速度が速いために、大きな怪我をしやすく、重い後遺障害が残りやすい点です。
高速道路の具体的な速度規制ですが、最高速度は原則時速100km(道路交通法施行令27条)、最低速度は原則時速50kmになっています(道路交通法75条の4、道路交通法施行令27条の3)。一般道では、最高速度は原則時速60km(道路交通法22条1項、道路交通法施行令11条)、最低速度は原則定められていません(道路交通法23条)。
速度規制 | 高速道路の制限速度 | 一般道の制限速度 |
---|---|---|
最高速度 | 原則時速100km (道路交通法施行令27条) |
原則時速60km (道路交通法22条1項、道路交通法施行令11条) |
最低速度 | 原則時速50km (道路交通法75条の4、道路交通法施行令27条の3) |
規制なし |
このように、高速道路と一般道では法定速度に大きな差があり、実態としても高速道路では自動車が高速運転をしています。また、高速道路ではトラックなどの大型車の通行量が多いという実態もあります。以上のことから、高速道路の交通事故では大きな怪我をしやすいことが分かります。
高速道路の路肩停車中の交通事故の特徴
高速道路の路肩停車中の交通事故も、高速道路上の交通事故の一般的な特徴と同様、大きな怪我をしやすいのが特徴です。
交通事故では過失割合が問題になることがよくありますが、被追突車は停車中に追突されていますので、基本的な過失割合は0%です。ただ、被追突車の過失割合が0%というのは、一般道で赤信号停車中の交通事故ほど確実なものではないという特徴もあります。例えば、夜間・降雨等のため視認不良の場合や、路肩に十分な幅員がなかったり、十分に左端に寄らなかった等の事情で路肩からはみ出して駐停車した場合、被追突車が自招事故により路肩に駐停車した場合などは、被追突車の過失割合が0%にならないことがあります。
高速道路での事故と後遺障害
上記の通り、高速道路では一般道よりスピードが出ていますし、大型車の通行量が多いため、交通事故により大きな怪我をしたり、被害者が亡くなるといったケースもよく発生します。頭部に怪我をしたり、脊髄損傷、内臓損傷等の怪我をすると、大きな後遺障害が残ることがありますし、死亡に至ることもあります。
後遺障害が残ったときは、主治医の先生に後遺障害診断書を書いてもらい、後遺障害等級認定の申請手続きをすることになりますが、診断書の記載内容次第で後遺障害等級が変わることがあり、その後の示談金額に大きな影響が出ます。適切な後遺障害等級認定を受け、示談交渉で事故後の生活を補償する十分な示談金を受け取るためには、弁護士に後遺障害診断書のチェックや後遺障害申請手続き、保険会社との示談交渉を任せる必要性が高いと言えます。
被害者の過失が0%の時の物損処理
高速道路上の路肩停車中に交通事故が発生すると、多くの場合物損の処理も問題になります。過失割合の修正要素がなく、被害者の過失が0%の場合、被害者側の保険会社は、保険金支払いという利害関係がなく物損処理の交渉ができないため、被害者の方が加害者側の保険会社と直接交渉をする必要があります。ただこの場合、過失割合は問題にならず、修理費や代車料は、加害者側の保険会社から業者に直接支払われることが多いため、難しい交渉になることはあまりありません。
弁護士によるまとめ
高速道路で路肩停車中に追突事故の被害に遭った場合、大きな怪我をして重度の後遺障害が残る可能性があります。後遺障害の申請手続きを的確に進めるには専門的知識が必要ですし、弁護士に示談交渉を依頼すれば、示談金を大幅に増額できることが多いと言えます。
高速道路上の事故で大きな怪我をしたり、後遺障害が残ったり、保険会社との示談交渉に不安があるようなときは、交通事故問題に詳しい弁護士に相談されることをお勧めします。
更新日:2025年5月19日

交通事故チームの主任として、事務所内で定期的に研究会を開いて、最新の判例研究や医学情報の収集に努めている。研究会で得た情報や知識が、交渉などの交通事故の手続きで役立つことが多く、交通事故チームで依頼者にとっての最高の利益を実現している。
また羽賀弁護士が解決した複数の事例が、画期的な裁判例を獲得したとして法律専門誌に掲載されている。

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