交通事故の弁護士費用特約の活用方法

監修者: 交通事故チーム主任弁護士
羽賀 倫樹 (はが ともき)
交通事故の問題は、当事務所のホームページをご覧になられた被害者の方が、無料相談にお越しになった後、そのままご依頼いただくというケースがよくあります。 記事をお読みになられて弁護士に相談をしたくなりましたら、お気軽にお問合せください。

- 相談者
- 弁護士費用特約はどのように活用するのが良いでしょうか?
- 羽賀弁護士
- 弁護士費用特約があると、弁護士費用の負担が小さくなるため、早いタイミングで弁護士に依頼しやすく、比較的怪我が小さい場合でも依頼しやすいというメリットがあります。
ケースによりますので、まずは無料相談をご利用いただくのもおすすめしています。
- この記事でわかること
-
- 当事務所における弁護士費用特約の有無と依頼のタイミングの傾向について
- 当事務所における後遺障害等級別の弁護士費用特約利用の有無について
- 弁護士費用特約のメリット
- 弁護士費用特約無し、後遺障害なしの場合の示談金交渉について
- こんな方が対象の記事です
-
- 交通事故に遭遇し、弁護士に相談したいが費用が心配な方
- 弁護士費用特約がある場合の依頼タイミングについて知りたい方
- 後遺障害の程度による弁護士への依頼の傾向について知りたい方
- 弁護士費用特約がない場合の弁護士への相談タイミングについて知りたい方
はじめに
交通事故の保険会社との手続き・後遺障害申請・示談交渉等をどのタイミングで依頼するかは、ご依頼いただく方によって様々ですが、弁護士費用特約があるかどうかで、早いタイミングでのご依頼が多いか、最終の示談交渉段階でのご依頼が多いか、若干の差があります。弁護士費用特約は、交通事故で怪我をした方が、保険会社との手続きを弁護士に依頼する際の弁護士費用について、一般的に300万円まで支払いがされる保険です。そのため、弁護士費用特約があると、被害者の方の弁護士費用の実質負担がなくなるか、少なくとも実質負担が軽減されます。
費用面から弁護士への依頼を躊躇するという事態を回避しやすくなりますので、直感的には、どの程度の賠償になるかの見通しが立てづらい事故直後など、早いタイミングでの依頼が増えそうですし、後遺障害が残らず賠償額がそれほど高くならない見込みでも依頼しやすくなりそうに思えます。ここでは、この直感が当たっているかを検証するため、①弁護士費用特約の有無と依頼のタイミング、②後遺障害等級別の弁護士費用特約の利用割合について見ていきたいと思います。
弁護士費用特約の有無と依頼のタイミング
弁護士への依頼のタイミングは、大きく分けると、治療中、症状固定前後、示談交渉時の3つが考えられます。弁護士費用特約があるかどうかで場合分けして、依頼のタイミングを見てみると、弁護士費用特約がない場合は、治療中が約10%、症状固定前後が約3分の1、示談交渉時が50%強です。一方、弁護士用特約がある場合は、治療中が約20%、症状固定前後が約3分の1、示談交渉時が50%弱です。
依頼のタイミング | 治療中 | 症状固定前後 | 示談交渉時 |
---|---|---|---|
弁護士費用特約なし | 約10% | 約3分の1 | 50%強 |
弁護士費用特約あり | 約20% | 約3分の1 | 50%弱 |
弁護士費用特約があると、特約なしの場合より、治療中の依頼が増え、その分最終の示談交渉時の依頼が減っていることが分かります。やはり、弁護士費用特約があると早いタイミングでの依頼が増えています。弁護士費用特約がないと、後遺障害が認定されたり、保険会社から示談金額の提示がないと、費用面から弁護士に依頼するメリットがあるか分からないケースが多いと思いますが、弁護士費用特約があると、費用面で躊躇するという事態が減るためと思われます。
後遺障害等級別の弁護士費用特約利用の有無
次に、弁護士費用特約を利用される割合がどの程度であるか、後遺障害等級別に見ると、当事務所では、死亡・1級~12級の方は約20%、14級の方は約50%、後遺障害なしの方は約70%となっています。
後遺障害等級 | 弁護士費用特約あり | 弁護士費用特約なし |
---|---|---|
死亡・後遺障害等級が1級~12級 | 約20% | 約80% |
14級 | 約50% | 約50% |
後遺障害なし | 約70% | 約30% |
後遺障害が小さいほど、弁護士費用特約を利用してのご依頼が多いことが分かります。これは、後遺障害が小さい場合、賠償金がそれほど高額にならないため、弁護士費用特約がない場合にはご依頼いただくのが難しいケースが多くなり、結果として弁護士費用特約を利用される方の割合が増えるためと思われます。
死亡・1級~12級の方は、弁護士費用特約の利用割合が低いですが、これは、大きな怪我をされるのは、歩行中に交通事故に遭った方、自転車やバイクに乗車中に交通事故に遭った方、高齢の方が比較的多く、弁護士費用特約がなかったり、利用できない方が多いことが影響していると思われます。
なお、後遺障害なしでご依頼いただいた方のうち、約30%は弁護士費用特約なしでご依頼いただいています。大半は、保険会社から示談金額の提示があり、相談の結果、増額の可能性があると判断ができた事案です。この場合の弁護士費用は、当事務所では、交渉で増額した範囲内で設定していますので、保険会社からの提案が事前提示より下がることさえなければ、依頼いただいた方の手元に残る金額が減ってしまうことはありません。
みお綜合法律事務所の弁護士のまとめ
弁護士費用特約がある場合、弁護士依頼のタイミングが早くなる傾向があること、比較的怪我が小さい場合でも依頼しやすくなることを紹介しました。治療中など、早いタイミングで弁護士に依頼してもいいのか、あまり大きくない怪我で弁護士に依頼してもいいのかと思われる方もいらっしゃると思います。このページで見てきたように、弁護士費用特約を利用して早いタイミングで依頼される方、比較的怪我が小さくても依頼される方がたくさんいらっしゃいます。弁護士に依頼するか悩まれる方は、弁護士費用特約があるか確認いただき、ご相談いただければと思います。
また、弁護士費用特約がなくても、みお綜合法律事務所は交通事故に関して初回相談無料でお受けしていますので、一度お問い合わせいただければと思います。
- 弁護士費用特約があると、早いタイミングで弁護士に依頼しやすい
- 弁護士費用特約があると、比較的怪我が小さい場合でも弁護士に依頼しやすい
- 弁護士費用特約なし+後遺障害なしの場合でも、保険会社からの示談金額提示後であれば、みお綜合法律事務所では費用倒れすることなく依頼が可能
- みおの交通事故相談は初回無料。一度お問い合わせください。
更新日:2021年4月8日

交通事故チームの主任として、事務所内で定期的に研究会を開いて、最新の判例研究や医学情報の収集に努めている。研究会で得た情報や知識が、交渉などの交通事故の手続きで役立つことが多く、交通事故チームで依頼者にとっての最高の利益を実現している。
また羽賀弁護士が解決した複数の事例が、画期的な裁判例を獲得したとして法律専門誌に掲載されている。

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