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高次脳機能障害で3級が認定された場合の弁護士による示談交渉

監修者: 交通事故チーム主任弁護士

羽賀 倫樹 (はが ともき)

交通事故の問題は、当事務所のホームページをご覧になられた被害者の方が、無料相談にお越しになった後、そのままご依頼いただくというケースがよくあります。 記事をお読みになられて弁護士に相談をしたくなりましたら、お気軽にお問合せください。

 

はじめに

 交通事故にあって、急性硬膜下血腫やびまん性軸索損傷等の怪我をした場合、最終的に残ってしまった症状・事故直後の意識障害の程度・画像所見等から、高次脳機能障害が後遺障害として認定されることがあります。

 高次脳機能障害には、1級・2級・3級・5級・7級・9級の後遺障害等級があります。高次脳機能障害が認定され、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」「自宅周辺を1人で外出できるなど、日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また声掛けや、介助なしでも日常の動作を行える。しかし記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労が全くできないか、困難」と判断されると、3級の後遺障害等級になります。

 上記の記載内容から分かるところですが、高次脳機能障害3級となると就労は通常困難です。また、日常生活にも大きな影響が出ます。そのため、示談金も相当高額になりますが、示談金の具体的な中身について見ていきます。

高次脳機能障害3級の示談金の中身

 高次脳機能障害で3級が認定された場合の示談金の項目には、①入通院慰謝料、②後遺障害逸失利益、③後遺障害慰謝料等があります。また、④将来の介護費が認められる可能性があります。

 以下、それぞれの項目について詳しく解説をします。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)

 入通院慰謝料(傷害慰謝料)は、交通事故にあって怪我をした場合に支払われるもので、怪我の程度・入院期間・通院期間・通院回数等によって決まります。仮に、急性硬膜下血腫等で3か月入院、1年3か月通院、最終的に高次脳機能障害3級が認定されたケースを基にすると、弁護士が交渉すると最大320万円程度の入通院慰謝料になります。

 仮に、示談交渉を弁護士に依頼しない場合で、保険会社から自賠責保険の基準で慰謝料が提示されたとすると、3か月入院、1年3か月通院(通院回数50回)であれば、入通院慰謝料は1,204,000円になります((入院90日+通院50回)×2×4,300円で計算)。

 高次脳機能障害3級が認定されるケースでは、入通院慰謝料だけでも大きな金額になり、弁護士に依頼するかしないかで大きな金額差が生じることが分かります。

後遺障害逸失利益

 後遺障害逸失利益は、交通事故にあって怪我をして、後遺障害等級が認められた場合に支払われるものです。その算定式は、「①基礎収入×②労働能力喪失率×③労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」というものです。

 これらの要素の詳細な解説は、以下のページをご覧いただければと思いますが、基礎収入は基本的に事故の前の年の収入で決まります。ただし、概ね30歳未満の場合は、年齢・職歴・平均賃金との乖離の程度・乖離が生じている原因等を考慮の上、平均賃金を基礎収入とすることがあります。

 また、労働能力喪失期間は、基本的には、67才までか、平均余命の2分の1のいずれか長い方になります。

 これに対し、労働能力喪失率は後遺障害等級によって変わってくるのが特徴です。高次脳機能障害3級の場合、労働能力喪失率は100%とされることが多いですが、障害の部位・程度、性別、年齢、職業、事故前後の就労状況、減収の程度等から、100%とは異なる喪失率になることもあります。

 具体例で考えてみると、事故前年の収入が450万円の25歳男性会社員の場合、今後の昇給の可能性を考慮して、基礎収入は男性平均賃金(令和6年の統計では約590万円)とすることが考えられます。そして、100%の労働能力喪失率が認められるのであれば、逸失利益は、590万円×100%×23.7014(労働能力喪失期間42年に対応するライプニッツ係数)=約1億3900万円と非常に大きな金額になります。

 また、30歳女性主婦の場合、100%の労働能力喪失率が認められるのであれば、逸失利益は、約400万円×100%×22.1672(労働能力喪失期間37年に対応するライプニッツ係数)=約8860万円と、こちらも大きな金額になります。

◆100%の労働能力喪失率と67才までの労働能力喪失期間が認められる場合の比較

具体例 計算方法 後遺障害逸失利益
前年の収入が450万円の25歳男性会社員の場合 590万円×100%×23.7014(労働能力喪失期間42年に対応するライプニッツ係数) 約1億3900万円
30歳女性主婦場合 約400万円×100%×22.1672(労働能力喪失期間37年に対応するライプニッツ係数) 約8860万円

 高次脳機能障害3級の場合の逸失利益が大きな金額になるのは、仕事の継続ができないことが多く、一生分の補償が必要になるためです。

 示談交渉を弁護士に依頼しない場合は、逸失利益について、保険会社から何千万円も低い金額が提示されることも想定されるところであり、弁護士に依頼するかしないかで大きな金額差が生じやすいと言えます。

後遺障害慰謝料

 後遺障害慰謝料は、交通事故にあって怪我をして、後遺障害等級が認められた場合に支払われるもので、後遺障害等級を基にして金額が決まります。仮に、高次脳機能障害で3級が認定された場合、弁護士が交渉すると最大2000万円の後遺障害慰謝料になります。

 これに対し、示談交渉を弁護士に依頼しない場合で、保険会社から自賠責保険の基準で慰謝料が提示されたとすると、861万円になります。

 3級の後遺障害等級が認定された場合の後遺障害慰謝料は、非常に大きな金額になります。しかし、後遺障害慰謝料が自賠責基準で算定されると、弁護士が交渉するより約1100万円低くなってしまいます。そのため、弁護士に依頼するかしないかで大きな金額差が生じることが分かります。

◆高次脳機能障害3級の場合の後遺障害慰謝料

弁護士への交渉依頼の有無 後遺障害慰謝料
弁護士が交渉する場合 最大2000万円
示談交渉を弁護士に依頼しない場合 861万円(自賠責基準で算定した場合)

将来の介護費

 将来の介護費は、交通事故による後遺障害が原因で介護が必要になった場合に認められるものです。

 この点、高次脳機能障害3級の場合、一人で日常生活を送るのが難しく、介護とはいえないまでも、家族等による見守りが必要になることが多いという実態があります。ただ、自賠責保険では、高次脳機能障害1級または2級の場合に介護費が認められるものの、3級の場合は見守りレベルにとどまり介護とまでは言えないことが重視されるためか、介護費は認められていません。そのため、任意保険会社との交渉でも、高次脳機能障害3級では、将来の介護費が認められないようにも思えます。

 しかし、実態として日常生活上の見守り等が必要になることが多く、家族の負担も大きいため、高次脳機能障害3級が認定された場合、任意保険との交渉では、介護費用の請求が認められることがあります。裁判例では、高次脳機能障害3級の場合に、1日あたり3,000円~5,000円程度の将来介護費が認められている事案があります。仮に30才の男性について1日3,000円の将来介護費が認められたとすると、介護費用は以下の通りの金額になります。

 (計算式)3,000円×365日×26.1662(平均余命52年に対応するライプニッツ係数)=約2860万円

その他の損害項目

 以上の他、入院の期間に応じて入院雑費が認められますし、通院の際の交通費、会社を休業した場合の休業損害、主婦の場合の主婦休損等が示談金として認められます。入院期間が90日であれば、入院雑費は90日×1,500円=135,000円になります。

 また、主婦で、治療期間1年半について全く家事ができなくなったという場合は、女性平均賃金約400万円×1年半=約600万円が休業損害として認められます。

弁護士によるまとめ

 高次脳機能障害3級が認定された場合の示談金は、逸失利益の金額や、将来介護費が認められるか、過失割合の有無や程度によっても異なりますが、比較的若く、過失割合が0%のケースでは、1億円超の大きなものになる可能性があります。弁護士に依頼せず自身で手続を進めようとすると、示談金額が何千万円も少なくなることがありえるため、高次脳機能障害の後遺障害申請や保険会社との示談交渉は、弁護士に依頼することをお勧めします。

更新日:2025年11月9日

弁護士 羽賀 倫樹

大阪弁護士会所属 61期/登録番号:39117

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交通事故チームの主任として、事務所内で定期的に研究会を開いて、最新の判例研究や医学情報の収集に努めている。研究会で得た情報や知識が、交渉などの交通事故の手続きで役立つことが多く、交通事故チームで依頼者にとっての最高の利益を実現している。
また羽賀弁護士が解決した複数の事例が、画期的な裁判例を獲得したとして法律専門誌に掲載されている。

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