後遺障害逸失利益の計算方法
監修者: 交通事故チーム主任弁護士
羽賀 倫樹 (はが ともき)
交通事故の問題は、当事務所のホームページをご覧になられた被害者の方が、無料相談にお越しになった後、そのままご依頼いただくというケースがよくあります。 記事をお読みになられて弁護士に相談をしたくなりましたら、お気軽にお問合せください。
- 相談者
- 「後遺障害逸失利益」というのは、具体的に何のことを指すのですか?
- 羽賀弁護士
- 後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残った場合の将来的な収入の喪失を補填するものです。
具体的な金額の算定方法について、一緒に確認していきましょう。
- この記事でわかること
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- 後遺障害逸失利益とは何か
- 基礎収入の算定方法
- 労働能力喪失率の算定方法
- 労働能力喪失期間の算定方法
- ライプニッツ係数とは何か
- こんな方が対象の記事です
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- 交通事故で後遺障害が残った方やその家族の方
- 後遺障害逸失利益の計算方法について知りたい方
はじめに
交通事故で怪我をして、後遺障害等級が認定された場合、保険会社からの示談提案の中に「後遺障害逸失利益」という項目が含まれていると思います。聞き慣れない言葉のため、どのような中身なのかよく分からないという方が多いのではないでしょうか。そこで、このページでは、後遺障害逸失利益の概要について解説をしていきます。
後遺障害逸失利益とは?
後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残った場合の将来的な収入の喪失を補填するものです。具体的な金額の算定方法は、以下の3つを掛け合わせることになります。
No | 後遺障害逸失利益の算出要素 |
---|---|
① | 年収(「基礎収入」) |
② | 労働能力が失われた程度(「労働能力喪失率」) |
③ | 収入が減ったり失われたりする期間(「労働能力喪失期間」)に対応するライプニッツ係数 |
以下、①~③それぞれについて簡単に解説します。
基礎収入の算定方法
後遺障害逸失利益の算定の基礎となる年収(基礎収入)は、基本的には、事故の前の年の年収になります。ただ、若くて年収が低い方、定年直前の方、主婦の方、子どもが被害者の場合など、算定に一工夫が必要な場合があります。そのような場合の算定方法は、下記のページで解説をしています。
労働能力喪失率の算定方法
どの程度労働能力が失われたかを示す労働能力喪失率は、基本的には、認定された後遺障害等級によって決まります。具体的には下記の通りになります。
後遺障害等級 | 労働能力喪失率 |
---|---|
1級~3級 | 100% |
4級 | 92% |
5級 | 79% |
6級 | 67% |
7級 | 56% |
8級 | 45% |
9級 | 35% |
10級 | 27% |
11級 | 20% |
12級 | 14% |
13級 | 9% |
14級 | 5% |
ただ、実際には上記の喪失率ほど収入が下がっていないケースや、顔の傷が後遺障害として認定されたものの仕事には特に影響がでていないケースなどもあります。そのようなケースなど、労働能力喪失率の詳細は、下記のページで解説をしています。
労働能力喪失期間の算定方法
収入が減ったり失われたりする期間である労働能力喪失期間は、後遺障害がいつまで残り、いつまで労働能力に影響を与えるかで決まります。一般的には、労働能力喪失期間は67才までか、平均余命の2分の1のいずれか長い方とされています。ただ、むち打ちのケースでは、後遺障害等級が認定されたとして、症状が軽くなる可能性があるとして、労働能力喪失期間が制限されるのが一般的です。その点も含め、労働能力喪失期間の詳細は、下記のページで解説しています。
ライプニッツ係数
後遺障害逸失利益は、将来得られるはずだった収入の一部(または全部)を前倒しして受け取りますので、前倒しする分の利息が控除されます。計算方法は複雑ですが、下記のページで解説していますので、興味のある方はご覧ください。
弁護士によるまとめ
本ページでは、交通事故で怪我をして、後遺障害等級が認められた場合の後遺障害逸失利益の概略について掲載しました。ただ、具体的な交渉となると弁護士に任せることをお勧めします。弁護士に依頼した方が交渉自体の負担がなくなりますし、後遺障害が認定されていれば、弁護士費用を考えてもそれ以上に増額するケースが多いからです。後遺障害等級が認定され、保険会社から示談金額の提案があったという方は、みお綜合法律事務所にご相談いただければと思います。
更新日:2021年11月30日
交通事故チームの主任として、事務所内で定期的に研究会を開いて、最新の判例研究や医学情報の収集に努めている。研究会で得た情報や知識が、交渉などの交通事故の手続きで役立つことが多く、交通事故チームで依頼者にとっての最高の利益を実現している。
また羽賀弁護士が解決した複数の事例が、画期的な裁判例を獲得したとして法律専門誌に掲載されている。
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