交通事故で入院した際の雑費(入院雑費)の算定

監修者: 交通事故チーム主任弁護士
羽賀 倫樹 (はが ともき)
交通事故の問題は、当事務所のホームページをご覧になられた被害者の方が、無料相談にお越しになった後、そのままご依頼いただくというケースがよくあります。 記事をお読みになられて弁護士に相談をしたくなりましたら、お気軽にお問合せください。

- 相談者
- 交通事故で怪我をして入院をしたら、パジャマ代やリネン代など色々お金がかかってしまいました。
この費用は保険会社に請求できますか?
- 羽賀弁護士
- 「入院雑費」として、入院1日あたりの定額で計算し保険会社に請求できます。
弁護士に依頼した場合、請求できる金額が多くなりますので、弁護士に交渉を依頼するのがおすすめです。
- この記事でわかること
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- 入院雑費とは何か、具体的な項目の例
- 入院雑費の請求方法と計算方法
- 弁護士を通した場合とそうでない場合の入院雑費の金額の違い
- 重度後遺障害の場合の症状固定後の入院雑費の取り扱いについて
- こんな方が対象の記事です
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- 交通事故により怪我をして入院した方
- 入院に伴う経済的な負担について心配な方
- 入院雑費の適切な請求方法を知りたい方
- 弁護士に相談するメリットを知りたい方
はじめに
交通事故で怪我をして入院をした場合、入院費以外に、パジャマ代・リネン代・洗面具代・テレビカード代・通信費等の経費(入院雑費)がかかります。これらは、交通事故に遭わなければかからなかったものであるため、保険会社に請求できます。ただ、一つ一つの雑費は金額が小さく、全ての領収証を保管しておかないといけないのか等の問題があります。このページでは、入院雑費の請求方法・計算方法について見ていきます。
入院雑費の請求方法
入院雑費は、領収証をもとに金額の計算が可能であるため、かかった実費を請求することになるようにも思えます。しかしながら、入院雑費は一つ一つの金額は小さい一方、様々なものが含まれます。そうすると、実費を請求するとなると、請求する側にとっては、膨大な領収証の保管・領収証からの金額計算が必要になり、金額の割に手間が大きくなります。保険会社側にとっても、領収証から金額計算をしていると手間が大きくなってしまいます。
上記の手間の問題に加え、入院時の雑費は、入院すれば必ず必要になるものであり、人によって大きな金額差が出にくい傾向があります。そのため、実費で計算するのではなく、入院1日当たり●●円と定型化して算定されるのが一般的です。
入院雑費の計算方法
入院雑費の計算方法ですが、①被害者の方が弁護士に依頼しない場合、入院日数×1,100円、②弁護士に依頼した場合、入院日数×1,500円となるのが一般的です。
解決方法 | 入院雑費の計算方法 |
---|---|
弁護士に依頼しない場合 | 入院日数×1,100円 |
弁護士に依頼した場合 | 入院日数×1,500円 |
上記の金額は、示談金額全体からみると大きな金額とは言えないかもしれませんが、入院期間によっては入院雑費だけで10万円以上の金額になるため、軽視できない項目と言えます。また、上記の金額差から、弁護士に依頼することで、入院1日あたり400円増額になることが分かります。大きな差ではないようにも思えますが、入院日数が長い場合は数万円の差になるため、侮ることはできません。
なお、人によって大きな金額差が出にくい傾向があるとはいえ、実際にかかる入院雑費は事案ごとに差があります。実際に、1日当たりの入院雑費を計算すると1,500円を超えることもあります。その場合には、1日1,500円の入院雑費しか認められないのではなく、領収証をつけて請求すれば、事情によっては実費が認められます。
症状固定後の入院雑費
交通事故で負った怪我が重度のもので、症状固定後も入院が必要になる場合、それに伴って継続的に入院雑費が必要になります。この場合も、今後入院が必要になると見込まれる期間について、入院1日当たり1,500円の定額で請求するのが基本です。症状固定前の入院雑費が1日当たり1,500円を超える場合は、その金額をもとに請求することになります。ただし、入院が長期になると1日当たり必要になる雑費は少なくなる傾向があること等を踏まえ、認定額が1日1,500円より減額になることもあります。
弁護士によるまとめ
以上入院雑費について見てきました。入院雑費自体は大きな金額になりにくいですが、入院するほどの怪我であれば、入通院慰謝料が大きくなる傾向がありますし、後遺障害が残れば後遺障害逸失利益・後遺障害慰謝料が認められ、示談金額が大きくなります。弁護士に依頼した場合と依頼しない場合の金額差が大きくなりますので、交通事故で怪我をして入院が必要になった場合は、入院雑費・慰謝料・逸失利益の点など、弁護士への交渉依頼が必須と言えます。
更新日:2023年2月25日

交通事故チームの主任として、事務所内で定期的に研究会を開いて、最新の判例研究や医学情報の収集に努めている。研究会で得た情報や知識が、交渉などの交通事故の手続きで役立つことが多く、交通事故チームで依頼者にとっての最高の利益を実現している。
また羽賀弁護士が解決した複数の事例が、画期的な裁判例を獲得したとして法律専門誌に掲載されている。

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