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交通事故被害者救済のための勉強会

事例研究
Vol.33

無保険車傷害保険を利用しての示談解決事例

本件の担当
羽賀弁護士

2020年03月06日

事例の概要

無保険車傷害保険を利用した場合の保険金請求の流れ。

議題内容

無保険車傷害保険を使っての解決事例を紹介しながら、手続きを進める上での注意点を検討しました。

議題内容

無保険車傷害保険の特徴

・無保険車傷害保険の対人賠償責任保険の手続きの違い

収集する必要のある資料

無保険車傷害保険会社との交渉のポイント

参加メンバー
澤田弁護士、伊藤弁護士、小川弁護士、羽賀弁護士、吉山弁護士、田村弁護士、北名弁護士、大畑弁護士、石田弁護士、山本弁護士、加藤弁護士、松弁護士
羽賀弁護士
今回は、解決事例をご紹介します。
ご依頼者のMさんは、40歳代の会社員です。
事故状況は、加害者が自動車、ご依頼者がバイクで、交差点での出会い頭の事故です。
主な怪我は下肢で、具体的には『大腿骨転子部骨折(だいたいこつ・てんしぶ・こっせつ)』という診断でした。最終的に、後遺障害が『股関節の可動域制限』で、等級は12級7号に認定されました。
結果としては、保険会社との交渉で解決しました。
症状固定前の時点でご依頼頂きましたので、賠償金の事前提示などはありません。最終額は、自賠責保険等含めて924万円です。
この案件の一番のポイントは、『無保険車傷害保険』を利用して解決したというところです。
加害者の車両に、自賠責保険は付いていたんですが、対人賠償責任保険は付いていないということで、最終的には『無保険車傷害保険』を使いました。
小川弁護士
事故の状況を、もう少し詳しく教えてくださいますか。
羽賀弁護士
Mさんがバイクを運転して交差点を直進しようとしたところ、一時停止規制のある側の交差道路から相手側の四輪車が出て来て、衝突されてしまったという状況です。
小川弁護士
基本、過失割合は15対85、になりますね。
羽賀弁護士
最初に申し上げたように、加害者の車には対人賠償責任保険は付いていませんでした。ではどういう形で治療されたかというと、通勤中の事故だったので労災を使われていました。
治療に伴い、半年ぐらい休業されましたが、労災が使えましたので、実質8割分補償されました。
吉山弁護士
無保険車傷害保険を契約されているというのは、ご依頼者が申し出られたんですか?
羽賀弁護士
はい。相手側が無保険ということで、どうしようか、となったときに、ご自身が無保険車傷害保険を契約されていたので、じゃあ、これを使おうということで、相談に来られました。
山本弁護士
この保険は、後遺障害が残るか、死亡しないと利用できません。怪我はしたけれども後遺障害は残らなかった、という場合には利用できないという保険ですよね。後遺障害等級の認定を受ける必要があります。
羽賀弁護士
ご依頼者もそのことをご存知でした。
治療はある程度進んだんだけれど、股関節がなかなか動かないので、これは恐らく後遺障害が残るだろう、それなら無保険車傷害保険が使えるはずだと考えておられました。しかし、どうも手続きがややこしそうだということで相談に来られて、症状固定前でしたけれどもご依頼を受けた、という流れです。
加藤弁護士
後遺障害の申請手続はご自身でされたんですか?
羽賀弁護士
ご依頼を受けてから、こちらでしました。
石田弁護士
無保険車傷害保険と対人賠償責任保険の、手続きの一番の違いはどこですか?
羽賀弁護士
そうですね・・・、基本的には同じと言えば同じなんですが、実際には資料が全然揃っていないという点です。
対人賠償責任保険であれば、示談交渉の前に、保険会社がレセプトなり、診断書なり、諸々の資料を集めているんですけれども、無保険車傷害保険では、後遺障害の等級認定が出るまで保険会社は動かないので、全然資料がないということになります。
澤田弁護士
結局、被害者側が全部の資料を集めなくてはならない、ということね。
羽賀弁護士
そうですね、それが一番の特徴になるかと思います。
また、刑事記録の取り付けですが、一般的には、事故態様に争いがなくて、ご依頼者が過失割合を争っていない事案なら、取り付けない場合もあるかなとは思います。ただ、今回は、無保険車傷害保険の事案ですので、保険会社は事故態様の聞き取りは被害者側からしかできていませんでした。そこで、事故状況について、刑事記録を取り付けてこちらから示す必要がありました。
石田弁護士
刑事記録の取り付けは、こちらでするんですね。
羽賀弁護士
保険会社が被害者からしか事故態様の聞き取りができない場合が多いと思われるため、刑事記録の取り付けは、ほぼ必須になると思います。
大畑弁護士
病院関係の資料はどうでしたか?
羽賀弁護士
これも集まっていないということで、こちらで収集する必要が生じました。
吉山弁護士
普通は保険会社と医療機関がやりとりして、診断書とかレセプトを集めてくれているので、それをこちらに送ってもらうだけで、まあ、集まるんですがね。
羽賀弁護士
さらに、無保険車傷害保険の会社から、加害者が無保険であることを確認してくださいと言われました。
ご承知のように、無保険車傷害保険は、加害者が無保険である場合にのみ使うことができます。ご依頼者は、加害者から任意保険がないことを聞いておられましたが、あくまで口頭でのことでしたので、無保険車傷害保険会社から、会社指定の書面で正式に確認を取りたいとの要請があったわけです。しかし、こちらから加害者に書面を送付しても、なしのつぶてでした。
北名弁護士
無視されたわけですね。案の定というところですか。
羽賀弁護士
しかし、加害者が略式起訴されていたので、警察から供述調書を取り付けて調べると、「任意保険がない」との供述があり、問題はクリアできました。
田村弁護士
労災適用ということでしたから、労災の既払い金の確認もありますね。これはどうでしたか?
吉山弁護士
これも、対人賠償責任保険があれば、保険会社が労基署とやりとりして金額を確認しているはずで、その資料がそのままこっちに来るというパターンですから、こちらからいちいち労基署に照会しなくても事足りる案件が結構多いという印象がありますよね。
羽賀弁護士
ところがこの件は、繰り返しになりますが、無保険車傷害保険なので、保険会社には資料が何もなく、こちらで既払い金の確認をする必要がありました。
そこで弁護士名で労基署に問い合わせたところ、何故か回答拒否をしてきました。
羽賀弁護士
そこで労基署に問合せをしたところ、裁判所か本人からの照会であれば回答できるとの連絡がありました。それで、指定の書式でご依頼者名義の照会書を作成し、署名押印してもらって提出して、回答を得ることができました。多くの労基署は回答しているように思いますが、労基署によって拒否するところあるということです。
石田弁護士
署によって対応が違うんです。私も、神戸の労基署で回答拒否された経験があります。
羽賀弁護士
そうですね、何故か場所によって違うようです。
それから、自賠責保険の既払い金の確認もありました。
示談交渉中に、自賠責保険の傷害部分について被害者請求でいくら払っているか、無保険車傷害保険の会社から、自賠責保険会社に確認を入れたところ、これも普通であれば会社同士でやりとりして、すぐにわかる話なんですが、「無保険車傷害なので回答できない」と言われたとの話がありました。
そこで当方から自賠責保険の会社に確認したところ、傷害部分の被害者請求はあったが、本人が請求しているので、弁護士には回答できないと言われました。
これも結局、ご依頼者本人から自賠責保険会社に連絡を入れてもらって、金額を確認することができました。
羽賀弁護士
山本先生からもご指摘ありましたが、無保険車傷害保険は、後遺障害等級が認定されないと使えません。等級が認定されれば、後遺障害の部分だけではなく、治療費とか、休業補償とかも使うことができるようになるんですけれども、それまでは、治療費とか休業補償は自分で何とかしないといけない、ということになります。
田村弁護士
今回は労災だったから、その辺は、ほぼ問題なく対応できたということですね。
羽賀弁護士
その点は不幸中の幸いでした。労災で不足する部分は、先程、既払い金の確認の件が出ていましたが、自賠責の被害者請求で対応されていました。
それから、無保険車傷害保険のもう1つの特徴として、人損のみが対象で、物損は対象外になるという点があります。
吉山弁護士
自賠責も物損が使えませんから、無保険車傷害保険のときは、物損は加害者本人に請求する必要があるということになりますね。
羽賀弁護士
ただ、本件の場合、ご依頼者のバイクが中古で6万円ととても安かったということで、時価が非常に低いと思われたこと、過失割合は最初25%で示談しているので、それくらいの過失があれば、加害者側の車の損害から請求されたら、実質、相殺の様なことになるんじゃないかということ、そして、ご依頼者から、もう加害者側と関わりたくないと聞いていましたので、物損は請求しないという形で処理をしました。
吉山弁護士
加害者からは、車の物損の請求はされなかったですか?
羽賀弁護士
されてないです。
澤田弁護士
示談の結果はどうなりましたか?
羽賀弁護士
こちらからの請求に対して色々言ってきましたが、主なところでは、慰謝料をちょっと低く出してきました。それと、過失割合を25%としてきました。
澤田弁護士
15%じゃないんですか?
羽賀弁護士
基本、15対85ですが、刑事記録を見ると、加害者側の車輌は減速しているということが明確に出ていましたので、それで10%乗っかってくるということで、過失割合は25対75。でもこれは仕方ないかな、ということになりました。
羽賀弁護士
結局、慰謝料がちょっと低いというのと、労災の既払い金充当が、費目制限せず元本充当しているのが、判例と違うというところを指摘しまして、入通院慰謝料、後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料は、当方の主張通り弁護士基準で認められ、総額924万円と十分なものになりました。
私からは以上です。
吉山弁護士
ありがとうございます。
吉山弁護士
無保険車傷害特約は、どの保険会社も、後遺障害が残らないと請求できないんですか?
羽賀弁護士
そうですね、全部そうなってます。
羽賀弁護士
そのため、無保険車傷害保険はこちらでお受けできるかどうかの判断が難しいことがあります。後遺障害が付かないと無保険と同じことになってしまうので、お受けするとなると、後遺障害が認定されてからとか、本件のように症状固定前なら、後遺障害が残るだろうと予測できる事案に限定されてしまいますね。だから、無保険車傷害特約が付いているからOKという訳でもないですね。むち打ちだと、確実に後遺障害が認定されるかどうかの判断が難しいですので、お受けするとしたら、後遺障害等級が認定された後になると思います。

「みお」のまとめ

加害者に任意保険がない事案でも、被害者が無保険車傷害保険を契約されていると、賠償金と同様の計算方法で保険金を受け取ることができます。しかし無保険車傷害保険の適用には、後遺障害等級の認定など、通常の対人賠償責任保険にはない要件を満たす必要があり、また、示談交渉では、対人賠償責任保険が使える事案より被害者側で集めるべき資料が多くなります。後遺障害申請など、様々な手続きをスムーズに進めるには、弁護士に任せることをお勧めします。
後遺障害が残ったか残りそうであるため、無保険車傷害保険への請求を考えておられる方は、無保険車傷害保険の交渉実績もある当事務所にご相談いただければと思います。

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