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交通事故被害者救済のための勉強会

制度研究
Vol.24

交通事故における自賠責保険

本件の担当
羽賀弁護士

2019年04月05日

事例の概要

ホームページの、”交通事故解決コラム・交通事故における自賠責保険” の記事をもとに、自賠責保険について検討します。

議題内容

  • 自賠責保険の補償範囲
  • 補償の上限額
  • 被害者に有利な制度
  • 任意一括の対応
議題内容
  • 交通事故における自賠責保険
参加メンバー
澤田弁護士、伊藤弁護士、羽賀弁護士、吉山弁護士、田村弁護士、北名弁護士、大畑弁護士、石田弁護士、山本弁護士、加藤弁護士
羽賀弁護士
今回のテーマは、「交通事故における自賠責保険」です。
「みお」のホームページの記事『交通事故における自賠責保険』をベースに、今回の勉強会用にコメントを付け加えています。
自賠責保険については、ご存知のところがほとんどとは思いますが、順番にお話ししていきたいと思います。
羽賀弁護士
自賠責保険は、自動車損害賠償保障法(以下、自賠法)5条で、それを契約していない自動車を運行してはならない、とされていることから、強制保険と言われることがあります。
最低限の保険なので、補償の範囲は狭く、かつ補償額に上限が付いていることから、損害のすべてをカバーできない場合が多々あります。ただ被害者保護という視点も盛り込まれていますので、本来の賠償よりも被害者にとって有利な部分がある、という形の保険となります。
羽賀弁護士
補償の範囲についてですが、ざっと言いますと、自賠責保険は人損のみを対象とし、物損は対象外、物損は任意保険の方で支払われることになります。
しかし、例えばメガネが損傷した場合は物損のように思いますが、実は自賠責の方で人損として対応があるというように、ちょっとしたところで、色々な補償があります。
羽賀弁護士
次に、補償の上限額についてですが、傷害が120万円、後遺障害が75万円から4,000万円で、死亡の補償は3,000万円までとなります。
金額のイメージとしましては、むち打ちでも治療期間が半年くらいになると、治療費と慰謝料で120万円を超えてしまうことが多いのではないかと思います。また、骨折とかがあれば治療費が結構かかるので、治療費だけでも120万円を超えるのではないか、といったところです。
後遺障害に対する補償や、死亡の補償に関しては、上限額で支払われることが多くなります。死亡事故は3,000万円、後遺障害は4,000万円の補償ということで、任意保険の考え方と比較すると、自賠責保険は、死亡の補償がやや手厚いのが特長です。
羽賀弁護士
自賠責保険の逸失利益の考え方は、年金生活でかつ家事従事者に該当しないような人でも、多くの場合逸失利益はおそらく認められていると思います。そのために、死亡事故・年金生活で、家事従事者には該当しないような方、例えば、年金生活をしている高齢の男性や、夫に先立たれて年金で一人で生活していますといった女性が亡くなられた場合は、過失相殺があまり大きくなくても、自賠責だけで終わってしまう事案がありますので、相談時には、どういう方針で手続きを進めるかきっちり考えた方がいいかもしれません。
印象として、先ほどのような事案では、過失割合が2割くらいまでいくと、自賠責保険で終わってしまうというのが結構あると思います。
羽賀弁護士
次は被害者側に有利な制度もありますということで、順番にお話しをしていきます。
まず、仮渡金という制度があります。自賠責保険では、治療費などは実際に支払が必要になった場合でないと支払われませんので、例えば仕事ができなくなったとか、そんなことになってくると、生活に困るということがあるので、仮渡金という制度が用意されています。
金額は、死亡の場合は290万円、傷害の場合は40万円、20万円、5万円のいずれかになります。
死亡の場合は290万円なので、例えば葬儀などの費用にあてるという趣旨で、それなりに大きな額を貰えて実用性がありますが、傷害の場合は、最高で40万円ってことなのであまり実用的ではないかもしれません。
澤田弁護士
大きな怪我でも40万円までしか出ないんですね。
羽賀弁護士
そうですね。40万円だと、1ヶ月とか2ヶ月生活できるかどうか、っていうレベルなので、あんまり実用性はないないですね。
仮渡金は仮のものなので、仮渡金に関する念書というのを自賠責の方に差し入れる必要があります。念書の中身は、賠償責任が後日発生しないということが分かった場合とか、超過支払いになった場合には、仮渡金を返還します、というものです。
羽賀弁護士
こちらは実際にあった事案ですが、14日以上入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間30日以上という要件に当てはまると思い、仮渡金の請求をしました。そうすると自賠責保険の方から連絡がありまして、当方の請求時点での、入・通院日数が少ないと。で、その日数で慰謝料を計算すると、20万円をちょっと超えるくらいにしかならないので、20万円だけ支払いますという風に言われた事案があります。
羽賀弁護士
次に、悪意によって生じた損害も補償される、という規定があります。
自賠責保険は保険制度なので、加害者に悪意がある場合には、加害者からの保険金請求は認められないと自賠法14条で規定されています。
ただ、悪意の人身事故でも、被害者救済の必要性があるので、被害者側からの被害者請求は認められています。最終負担者は加害者になりますけど、加害者の無資力の危険を被害者が負わなくて済むための制度といえます。
羽賀弁護士
次に、過失減額の制限ですが、これは、かなり有名なところかなと思います。
後遺障害と死亡に関しては、自賠責保険では70%未満の過失割合であれば減額はされません。70%以上80%未満は20%の減額。80%以上90%未満が30%減額。90%以上100%未満で50%の減額となります。
傷害では70%以上の過失割合で20%の減額ということになります。
なので、一般的に言えば、過失割合が70%くらいに達するような事案だと、自賠責保険のみで補償が終わるようなパターンも出てくるということになります。
羽賀弁護士
次に、因果関係の有無の判断が困難な場合に、保険金の一部支払い、という制度があります。
受傷と死亡との間の因果関係の判断が困難な場合や、受傷と後遺障害との間の因果関係の判断が困難な場合には、50%減額して支払われます。因果関係の有無の判断が困難というのは、おそらく、訴訟でいうと因果関係は否定される可能性が高い事案と思いますので、50%減額とはいえ支払われるのは、被害者にとって有利な制度ではないかと思われます。
羽賀弁護士
ホームページには記載していませんが、自賠責の方の運用で、判決とか、裁判上和解とか、調停で、損害額が先に認定された場合は、自賠責の支払い基準を超えて加害者側の保険会社に保険金が支払われるという運用があります。
このような運用の関係で、死亡事故で、訴外交渉で事実上金額が決まっていたところ、保険会社側から調停申立てをしてほしいと依頼があり、申立後すぐに和解成立させるっていうような、そういったお願いをされることあります。例えば、通常の自賠責の基準では2500万円の支払になるけれども弁護士基準では3000万円になるというような場合に、加害者の保険会社にとって意味のある運用となります。
澤田弁護士
自賠責保険が規定よりたくさん払ってくれるってことですか?
羽賀弁護士
加害者の任意保険会社にとって、通常より自賠責保険から多くの額を回収できる制度と言えると思います。被害者側にとってみると、自賠責からの回収額が増えるのであれば、少しでも被害者への慰謝料に回して下さいというようなことが任意保険会社に対して言えるようにも思います。

「みお」のまとめ

契約していなければ自動車の運転をしてはならないとされ、強制保険とも言われる自賠責保険ですが、事故に遭った時の損害の全てが補償できないことが多く、任意保険の方が注目されがちです。しかし、被害者保護の為の色々な制度が用意されています。
保険の補償についてわからない事やお困りの事があれば、当事務所の無料相談をご利用いただければと思います。

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