更新日:2020年9月18日
脊柱変形11級7号、紛争処理センターの審査手続きで解決
みおでご相談後の取得金額
事例の概要
被害者様:Kさん/30代/会社員
交通事故で背骨の圧迫骨折の怪我をされました。治療中に保険会社との手続きを任せたいとして相談に来られました。後遺障害は11級7号認定、示談交渉では解決せず、紛争処理センターの審査手続きで解決しました。
事故はこうして起こった
Kさんは、神戸市東灘区で自転車に乗って交差点に差し掛かったところ、左方から交差点に進入してきた自動車に衝突されてしまいました。
後遺障害と解決までの道のり
この事故で、Kさんは、第11胸椎圧迫骨折の怪我をしてしまいました。入院と通院により、怪我自体は順調に回復していましたが、保険会社との手続きを任せたいと考え、当事務所に相談に来られました。
ご依頼いただいた後は、しばらく治療を続け、症状固定に至りました。後遺障害の申請をしたところ、脊柱の変形が残っているとして、11級7号の後遺障害等級が認定されました。その後、保険会社と示談交渉を行いましたが、後遺障害逸失利益等で隔たりが大きく、示談解決に至りませんでした。そのため、紛争処理センターに申立を行いましたが、斡旋手続きでは解決せず、最終的に審査手続きで解決になりました。
当事務所が関わった結果
紛争処理センターに申し立てた後は、センターから斡旋案が出されましたが、ここでも解決には至りませんでした。そのため、紛争処理センターの審査手続きに移行しました。審査手続きは、紛争処理センターの最終判断を示すもので、保険会社側はセンターの判断を尊重しなければならないとされています。
審査手続きでは、後遺障害逸失利益について、約1105万円を認め、総額約1457万円との判断が示されました。逸失利益やその他について、当方の主張が十分に反映されていると判断することができたため、当方も審査内容を受け入れ、解決となりました。
解決のポイント
後遺障害逸失利益
圧迫骨折による脊柱変形11級7号の場合、後遺障害逸失利益が争いになりやすいと言えます。例えば、骨折による痛みが問題で、脊柱変形自体では労働能力に影響がないため、労働能力喪失率を低く算定すべき、また、痛みが改善すれば、労働能力喪失がないか軽くなるといったものです。
本件でも、保険会社から上記のような根拠で、労働能力喪失率5%、労働能力喪失期間10年との主張がされました。確かに、脊柱変形の場合、ある程度逸失利益の額を制限するとの判断はあり得るところですが、保険会社の主張が過大であると思われたため、示談解決は困難と判断し、紛争処理センターに申立を行いました。
紛争処理センターでは、保険会社から若干の譲歩があり、労働能力喪失期間20年、喪失率は最初10年14%、その後の10年5%程度が妥当との主張がありました。ただ、これでも逸失利益の額は約724万円であり、やや低いと思われました。
センターによる斡旋案はありましたが、主張の開きが大きかったため、解決には至りませんでした。審査では、労働能力喪失期間は67才までの31年間、喪失率は最初の20年14%、その後の11年10%との判断で、逸失利益の額は約1105万円と判断されました。ある程度減額された判断でしたが、実際の症状や仕事の状況等から考えると十分なものと考えられたため、審査判断を受け入れ、解決に至りました。
担当弁護士のまとめ
脊柱変形障害11級7号が認定された事案について、紛争処理センターの審査手続きで解決しました。11級7号が認定されるような事案でも、実際には、示談交渉で解決できる事案が多いと言えます。ただ、主張の開きが大きい事案もあり、本件のように示談ではなく紛争処理センターで解決する事案もあります。
示談交渉時点での保険会社の主張は過大なものと言わざるを得ませんでしたが、保険会社の主張が過大であるか、過大であるとすればどのように手続きを進めたらいいか、被害者の方ご自身が判断するのは難しいかもしれません。本件は、弁護士に依頼いただくことで、上記の点の判断を弁護士が的確に行い、依頼者の方のご負担を最小限にして手続きを進めることができました。
当事務所の解決事例は示談交渉によるものが多いですが、事案に応じて、本件のように紛争処理センター申立てを行って解決をしている事案もあります。弁護士に依頼することで、保険会社との交渉や手続き進行方法の判断を任せることができます。交通事故の手続きの進め方に不安があるという方は、みお綜合法律事務所にご相談いただければと思います。
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