トップページ > 後遺障害と治療について > 高次脳機能障害について③

■高次脳機能障害の程度(等級)は?
自賠責では、以下のとおり区分しています。
| 高度の痴呆のため生活維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要する。 | |
| 日常の生活範囲が自宅に限られている。生命維持に必要な身辺動作に家族の看視などが必要。 | |
| 記憶力、注意力、対人関係維持能力に著しい障害のためまったく就労できない。 | |
| 単純繰り返し作業であれば就労可能。ただし、作業能力が著しく制限され、職場の理解や援助が不可欠。 | |
| 手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなど一般人と同等の作業を行うことができない。 | |
| 一般就労を維持できるが、作業効率や作業持続力に問題がある。 |
また、労災では以下のとおり分類されます。なお、表中のA~Dは、A:意思疎通能力、B:問題解決能力、C:持続力、D:社会行動能力です。(高次脳機能障害について②の「高次脳機能障害の有無はどう判断するか」をご参照ください)
| 食事、入浴、用便、着替など「常時」介護や看視が必要 痴呆や感情の荒廃により「常時」介護や看視が必要 |
|
| 食事、入浴、用便、着替など「随時」介護や看視が必要 痴呆や感情の荒廃により「随時」介護や看視が必要 自宅内では日常生活は送れるが、1人での外出が困難 |
|
| A~Dの高次脳機能のうちの一つが完全に喪失している。 A~Dの高次脳機能のうちの2つ以上の能力の大部分が喪失している。 |
|
| A~Dの高次脳機能のうちの1つ以上の能力の大部分が喪失している。 A~Dの高次脳機能のうちの2つ以上の能力の半分程度が喪失している。 5級の場合は、通常人の4分の1程度しか働けない場合とされており、例えば頻繁に指示をしなければ作業ができない場合を指すとされます。 |
|
| A~Dの高次脳機能のうちの1つ以上の能力の半分程度が喪失している。 A~Dの高次脳機能のうちの2つ以上の能力の相当程度が喪失している。 7級の場合は、通常人の2分の1程度しか働けない場合とされており、例えば時々に助言をしなければ作業ができない場合を指すとされます。 |
|
| A~Dの高次脳機能のうちの1つ以上の能力の相当程度が喪失している。 9級の場合は、通常人の4分の3程度しか働けない場合とされており、例えばたまに助言をしなければ作業ができない場合を指すとされます。 |
|
| A~Dの高次脳機能のうちの1つ以上の能力が多少喪失している。 | |
| 他覚所見はないものの、脳損傷が医学的に合理的に推測でき、わずかな能力喪失が認められる。 |
■高次脳機能障害の適正な等級を得るためには?
まずは、必要と思われる検査を受検しなくてはなりません。例えば、知覚テストは正常人と遜色なくても、遂行機能が低下している場合もあり(前頭葉障害)、その場合には遂行機能検査の受検を申し出る必要があります。実際に、どのような検査が必要なのかについては、医師と弁護士に相談してください。
また、人格の変化などについては、ご家族でないと分かりません。ご家族の方は、事故直後のひどい状態を知っているだけに、少しでも症状が改善すると、「治った」と喜ばれます。しかし、現在の症状と比較すべきは、事故直後の一番ひどい状態ではなく、「事故前の正常な状態」です。「日常生活状況報告書」に記載する際には、事故前と比較して何ができなくなったのか、どの程度できなくなったのかについて、冷静に記載する必要があります。
もちろん、高次脳機能障害に詳しい医師や弁護士と適宜相談しながら、必要な検査や書類の準備を進めていく必要があることはいうまでもありません。これらのことを行って、ようやく適正な等級が得られます。